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書く、これしか出来ないから。

ひとつだけの選択肢

投稿日: 2025-12-10

タグ: # zakkan

ノベルゲームにおいて、選択肢はプレイヤーの介入する操作だ。選択肢は(多くの場合は唯一の) エンディングに直接関係ある要素であり、プレイヤーがこれを選択することこそが「ゲーム性」である。

この選択肢を、ひとつだけにすることが好きだ。選択肢が一つしかないなら、それは選択肢ではないのではないか、と思うかもしれない。しかし、クリックするという行為を通じて、プレイヤーは物語に能動的に参加している感覚を得られると思う。普通のテキストで主人公の意志を表示するよりもボタンにしてユーザーに押させた方が、ボタンテキストを「自分の意見」と見なしやすいと思う。

この方法に影響を与えたのはHoi4だ。

Hoi4ではニュースイベントというのが発生する。国家方針を取得した後や特定の時期になったら、関係国でこのイベントが表示される。……あまり詳しく説明しても知っている人には冗長だし知らない人には伝わりにくいと思うので例を出そう。下の画像はラインラント進駐(昔のドイツね)のイベントだ。

ゲーム画面の真ん中に古い新聞のようなスタイルでラインラント進駐の話が書かれてあり、「ここはドイツの領土だ」というボタンがある画像

もちろん中には選択式のイベントもある。例えばポーランドの中道ルート1では誰を王にするかプレイヤーが選択できるし、フランスはドイツのラインラント進駐時に宣戦布告するか見逃すか選ぶことができる。しかし、この画像のように答えが一つしかなくてもボタンを表示してユーザーに押させることはたびたびあり、そしてこのシステムに対して僕は肯定的だった。

特に印象に残っているのはKaiserreichのケレンスキー暗殺の「銃声は世界中に響き渡った」や、Kaiserreduxのアメリカ内戦の「眠れる獅子は目覚めない」というボタンのテキストだ。事の重大さや(if世界線の話だけど)現実の出来事だぞ、っていう重苦しさがリアルに感じられる気がして好きだった。

だから僕はこれを真似て、ひとつしかない選択肢をわざわざユーザーに押させるのだ。

Footnotes

  1. 僕はこういう中核州のポテンシャルはある中小国が大好き